kolmas.tech note

雑記と思索、偏った技術の覚え書き

ランダムタイマー

長男も次男もスマホで動画観るのが好きである。1

とは言っても、彼等が自身のスマホを持っているわけでは当然なく、妻や私のスマホで観せている形である。その場面は、概ね次の二通りである。

  • 彼等にとってとても嫌な事をしなければならない時に、暴れる彼等の気を逸らすものとして。典型例は床屋での散髪。2
  • 特に長男について、身に付けてほしい行動を強化する好子として。

ここで注目するのは後者である。スマホで動画を見る事は長男にとって強烈な好子になっている。例えばトイレで用を足すという行動について、スマホ動画を好子として用い、定着させる事が出来つつある。もっとも、ここ最近は動画見たさにさして差し迫ってもいないくせにトイレに行きたがるようになり、これはちょっと如何なものか、という節もある。ABA的手法の導入においては常に、何を強化しているのか、あるいは何を強化してしまっているのか、を意識しておく必要3があろう。望ましい行動を狙って明確に強化できる枠組みを考えなければならない。

というような問題はあるものの、それでもスマホ動画が長男にとって強い好子である事は事実なので、上手く活用できれば良いとも思う。ここで、強化のテクニックには部分強化4がある。一定程度定着してきた行動に対して、好子を与えたり与えなかったりする事で、その行動をより強固に定着させる事が出来る。人がギャンブルにハマるのと同じ理屈である。という訳で、スマホ動画による強化を部分強化にする事を考えたい。

しかし、スマホ動画の「引き」が強すぎて、対象の行動に対して全く見せないと怒り出す所がある。怒るのを宥めるために見せるというのはABA的に見て明らかに悪手である。そこで、スマホ動画を見せたり見せなかったりするという事に代わる次善として、見せる時間を明確に決めて、その上でそれをランダムにするという事を考える。療育の先生5にこのアイデアを相談してみた所、そんなに突飛な発想ではなく、海外のもので、毎回ランダムな時間を測ってくれるタイマーのアプリもあるらしい。

確かに、都度ランダムな時間をタイマーに設定するのは手間であるから、そのランダム時間を作ってくれるタイマーがあると便利そうである。ただ、上述の海外アプリは現在非公開で入手できないのだそう。となれば、作ってしまえば良い。

無ければ作れば良いじゃない

という訳で作ってみたのがこちら。ウェブブラウザ上で動作する。 kolmas-tech.github.io 極々シンプルなプログラムで恥じ入るばかりであるが、一応GitHubで公開している。そんなに分かりづらいものではないと思うが、使い方も以下で説明している。 github.com

スマホのウェブブラウザで動かす事を想定している。とはいえPCのブラウザでも同様に動作する。標準化様々である。縦画面でも動くが、基本的には横画面で使う想定。我々の現役のスマホは、それこそ動画を見せる事に使ってしまうので、このタイマーのためには使えない。そこで、2020年まで使っていたのを保管しておいた、私の一代前のスマホ=iPhone 5sを引っ張り出してきた。古すぎる端末にはセキュリティ的懸念もある6が、このタイマーにしか使わないし、使わせない。

私のiPhoneとしては二代目である懐かしの5s。電池が完全に干上がっていて再充電に時間がかかったが、このタイマーを動かすくらいなら何とかなる。

が、あまりに古すぎて最初に作った上記リンクの版は、一部7がそのまま動かなかった。そのため以下の代用版も作成。 kolmas-tech.github.io

使ってみたところ

長男の最初の反応はまずまず良好だった。元々カラフルなものが好きなので、虹色が流れる見た目になっている残り時間のバーがウケたようだ。そもそもスマホ動画を見せる時のタイマーとして作ったのだったが、最初数回は、スマホ動画すら要らずこのタイマー自体が好子になったようである。妻からは、残り時間バーに飽きてきたら他の模様を追加するのも良いのではないかとの意見があった。こちらは要望に合わせて追加実装したい。

とはいえ、流石に数回の後にはタイマーだけだと好子として働かなくなったようで、今は元の想定通りにタイマーとして妻に使ってもらっている。タイマーが鳴ったらスマホ動画が終わるということは長男も何となく分かっている8様子。今後しばらく経過観察が必要と思われる。妻からは、タイマーがあることでスマホ動画をだらだらと見せ続けてしまう事が抑止されるとの感想があった。

尚、上掲の5年ぶり復帰のiPhone 5sの電池は、このタイマーを時々使うだけであれば、二日半程度なら持続する模様。それだけ持てば上々か。

参考記事

qiita.com 我が家での実際の利用端末として想定した上掲のiPhone 5s、その頃のiOS Safariでは、脚注でも触れているdialog要素がそもそも対応外なのでどうしようもない=それ故に代替版を作成したのだが、それ以外に嵌った点として、setTimeoutsetIntervalで仕掛けるアラーム音が鳴らないという問題があった。タイマーとしては致命的である。しかも、同じプログラムであるにも関わらずPCのブラウザやiPhone XSiOS Safariではちゃんと鳴る。上記記事を読んで解消。


  1. 本筋に関係ないが、YouTube等の動画配信サービスにおける自動リコメンド及び自動再生機能は、こと子供が見るという点においては、悪い文化であると思う。飽きずに際限なく見続けられてしまう。また、いつの間にかよく分からない言語の歌とか聴いていて、動画を見てない時にまで、その英語ですらない謎言語で突然歌い出したりする。
  2. もっとも、ここ最近は長男も次男も、散髪であれば動画なしでも少しは我慢出来るようになってきた。暴れたら動画が観れるということを強化するのも良くないし、これは望ましい傾向。
  3. このことについては別途書きたい。
  4. 「間欠強化」とも言われている。「好子」も含め、この辺りの言葉遣いは今読んでいる本のものに従う。この本については別途書きたい。
  5. 何人かの先生に見てもらっていて、その内の一人。
  6. iPhone 5s対応の最新iOS=iOS 12の最新セキュリティアップデートは2年前。その点では、この5sの跡を継いで今の私の現役スマホであるiPhone XSにも、そのうち換えなければならない時期は来る。www.itmedia.co.jp
  7. 具体的に何が駄目だったのかというとHTMLのdialog要素。タイマーの設定画面等で使っている。iOS 15.4以降でのサポートらしい。caniuse.com
  8. 分かってはいそうであるが、それに納得して素直に引き下がってくれるかは別の問題。

どのプログラミング言語から始めるべきか

プログラミング未経験の妻から表題の質問を受けた。それに対する私の回答は「本質的には何でも良い」である。強いて言えば、手続き型の言語で、入門レベルの内容において所謂「おまじない」が少なく、初学者向けの資料が一定程度充実しているもの、さらには、やっていて楽しいものであれば尚良いと思う。

本質的には何でも良い

本エントリの前提として想定する初学者像、即ち上述の「プログラミング未経験の妻」の像は以下である。

  • 簡単な英語に抵抗がない。
  • キーボードは一定程度扱える。
  • コンピュータを専門として深く理解する事を求めているわけではない。
  • 今すぐ作りたいものが具体的にある訳ではない。

プログラミング遍歴のエントリ②の中でも書いたが、私は、手続き型の考え方を持つプログラミング言語であれば、大概のもの1は全く未経験のものでも少し勉強すればそれなりに書けるだろうという自信は持っている。実際に数種類のプログラミング言語を扱った事がある、というのもあるが、それらの根底に共通する基本的なプログラミング方法論をある程度は体得出来ている2事が大きいと思う。これが大切な事だと考えている。

プログラミング初学者向けに、やれ最新の言語だの流行りの開発フレームワークだの、これらをやっておけば間違いない、という言説を見かけるが、それにはあまり賛同できない。最新も流行りも常に変化し続ける世界であり、今の流行りが今後もトレンドであり続けるとは限らない。その点でも、身に付けるべきは特定のプログラミング言語フレームワークに依存しない本質的なプログラミング方法論であり、またアルゴリズム、そしてそれらを組み立てて使いこなす思考力である。それを身に付けるために最初に触れるものが、最新のプログラミング言語フレームワークである必要は全く無い。勿論、最新のものであってはならない訳では無い。しかし一般に、それら最新のものよりも、登場以来ある程度時間が経過しているものの方が、教材等の充実など初学者向けの教授法が確立されているとすら思う。

その点において冒頭で述べた通り何でも良いだろうと思う。また、こちらもほとんど冒頭で述べた通りではあるが、以下の特性があれば尚良いと思う。

  • 手続き型の考え方を持つ。最新や流行りを気にしないとは言っておきつつも、現在様々な場面で使われているプログラミング言語は、手続き型の考え方を持つものが多い。その考え方を押さえておけば幅広に潰しが効く。さらに、広く使われている考え方であるという点から、関数型・論理型の考え方を主軸とする言語と比べた時に資料が多いし、初学者向け教授法の確立という点でも有利と考える。大体、現行のコンピュータ自体、基本的には手続き型のアーキテクチャなのであり、その点でも自然だろう。量子コンピュータ等の話題もあるものの、少なくとも当面は現行のコンピュータアーキテクチャは利用され続けるだろう。
  • 「おまじない」が少ない。ここでいう「おまじない」は、プログラムを成立させるために最低限書かなければならないものの、その時々の理解段階ではまだ内容をしっかり説明できないものの事を指す。例えばCのint main()関数定義は動作するプログラムを成立させるのに必要だが、関数定義の説明をしないとその意味を説明できない。それ以前にintって何、の所から、初見では不明である。他には例えば、Javapublic static void main(String[] args)は最近はかなり略記できるらしい3が、それ以前は、このmainメソッドを包含するクラスの定義まで含めて、初学者にとっては訳の分からない「おまじない」であるに違いない。この辺りは、本質的なプログラミング方法論を順を追って理解する際の邪魔になる可能性がある。
  • 初学者向けの資料が充実している。これは先にも触れたが、初学者向けの資料が簡単に見つかる程度には浸透している方が望ましかろう。ただ、その手の資料は玉石混交であり、その中から石を退けて玉を選り抜くための審美眼は必要である。問題は、その審美眼はプログラミングを一定程度身に付けてからではないと得られない事である。にわたま。そこで、良い資料を選んだり、場合によっては自分で資料を作る事が、教導者の役割になる。
  • やっていて楽しい。何が楽しさとして刺さるかは人によって違うだろうが、楽しい方が当然モチベーションが続きやすかろう。ただ、しばらくやり続けていて初めて見えてくる楽しさもあるので、やり始めてすぐに楽しくないから乗り換える、というのはやめた方が良い。どんなプログラミング言語でも、始めてしばらくの間は覚える事ばかりの割に作れる物の範囲が狭いのであまり楽しくない4ので、取っ替え引っ替えしても効果は薄い。その点、上述の「おまじない」が少ないという事には、楽しさが見えてくるまでの負担を減らすという側面もある。

上述の望ましいと考えられる特性を踏まえると、妻の初めてのプログラミング言語として私からお勧めするのは、PythonJavaScriptあたりの、新興の言語とは言えない程度に長い実績があるスクリプト言語なのかな、という気はしてくる。プログラミング遍歴のエントリ①で触れた通り、私が初めて本格的に触ったプログラミング言語Javaであったが、上述の特性と比して考えると踏まえるとあまりお勧めできない。

コンピュータを本業にするならCをやるべき

ここまでの初学者像は私の妻、即ちその像は上掲の通り、プログラミングに興味はありつつも、コンピュータを専門として深く理解する事を求めているわけではない、という前提に立っている。一方で、コンピュータやプログラミングをしっかり理解しようと思うなら、Cをやるべきだと思う。最初に触れるべきか否かは難しい所だが、少なくともどこかのタイミングでは必ず。

データ型、ポインタ、配列5、静的・動的メモリ割り当て、そしてそれらを使って作る事ができる様々なデータ構造、等々、コンピュータ上でどのようにデータが扱われているのかを理解するのにCほど分かりやすい言語はあるまい。例えばCにおける配列の考え方、即ち複数の同一データ型の値のためにメモリ上に連続確保された領域、からしたら、スクリプト言語等において配列と呼ばれる物は、実際には配列などではない。後者を実現するためにはどのような工夫が必要であるのか、そしてスクリプト言語等の処理系がその工夫を影でやってくれていたという事が、Cで同等機能を実装してみれば身に沁みて分かるだろう。前節にて、Cを「おまじない」が多い言語の一例として挙げたが、ことプログラム、そしてコンピュータの動きを正しく捉えようと思った時には、Cは極めて単純明快な言語である。その点においては、むしろそれを隠蔽する事でプログラムを書きやすくしている、ここでいうスクリプト言語等を含む最近の言語の方こそ、「おまじない」に満ちている。

ただし、本節冒頭でも触れたが、初学者に対する初手の選択肢にするか否かは悩ましい所である。Cをやった後で、それこそ上述の「隠蔽する」タイプの言語に進む方が、後者が何をプログラマに代わって隠蔽してくれているのか良く分かる。ただ、初学者の最初の言語と考えた時に、Cには先に述べた方の「おまじない」が多いことは否定できない。その点では、まず初手では「隠蔽する」タイプの言語で基本的なプログラミングの考え方を押さえた上で、二番手にCを入れる事で、後に述べた方の「おまじない」を解消していく、というのが落とし所だろうか。

また、ここまでの、コンピュータやプログラミングをちゃんと分かろうと思うならCをやっておけという私の主張は、アセンブラを書く人から見たら、まだまだ生ぬるいのかもしれない。アセンブラ及び機械語のレベルは、Cプログラマから見るとコンパイラによって隠蔽されている訳で。そして更に突き詰めれば、その機械語を処理するCPUの設計・構成、ということになる。どんどん深掘りしていくことで、隠蔽・抽象化のレベルはいくらでも下がっていく。

最早ここまで来ると匙加減の問題である。分かっている方がより望ましいに決まっているが、学習コストは無限に増大するので、どこかでキリを付けないといけない。実際私も、Cより下のアセンブラ機械語とかCPU設計のような話題になると、多少の知識はあるつもりだが実践の経験は全く無い。で、匙加減の問題というある種の逃げを導入した瞬間に、私のCに関する主張もブレてくる。現在のほとんどのプログラマ6にとって、Cを学ぶという事が、その学習コストと得られる効果の釣り合いが最早取れないものであると認識されている可能性はある。それでも私は、Cを学ぶ意義はあると主張したいが。

結局何から始めるべきか

というような事を考え、結局妻への明快な回答はまだ出来ずにいる。もっとも、妻の場合に限っては、私が教えるという観点から、上述の論点に加え、私の手に馴染んでいるもの、という条件で縛ってしまえば良さそうだが。

悩みは尽きない。


  1. Brainf*ckなど、意図的に難読性を高めているようなものは厳しい。
  2. こういう事を自ら宣言するというのは謙虚の美徳に反するし、私より余程極めている人など当然のように居る訳で、その点でも心苦しいものがある。しかしそれでも、基本的なものは身に付いてる、くらいは言っても許されると信じたい。
  3. 知識として知っているが、まだ自分で試してみた事がない。最近そもそもJavaを書くことがめっきりなく、先日の自作DIがかなり久しぶりの機会だった。
  4. 何でもいいのでプログラムが動くという事、それだけで楽しさを見出せる人も当然いるにはいる。私自身がその口である。
  5. Cの文脈における配列。
  6. 組み込み系やカーネル周り等の場面を除く、一般的に言われるところの所謂アプリ・ソフトウェアを構築するプログラマを想定する。

千葉!滋賀!佐賀!

ラーメンズの「日本語学校イタリア篇」には子供の気を引き笑わせる話術のエッセンスが多分に含まれている。2000年代前半1の日本ネット文化を知る人なら直ぐに思い出せるであろう、「千葉!滋賀!佐賀!」のアレ2の事である。知らない人は適当にググりましょう。3

長男=自閉症5歳についても次男=定型発達2歳半についても、彼等を話術で笑わせるのはそこそこ出来るつもりである。この笑わせる話し方が、「日本語学校イタリア篇」的要素を含んでいる事に気付いた。むしろ、アレから影響を受けた結果として、今の私が彼等を笑わせる時の話し方が形成されている、のかもしれない。

予想外の抑揚

冒頭に早速現れる茨城とかのアレである。見た事がある人であれば、ここで言いたい事は伝わるかと思う。

平坦な口調で話している所に急に口調を大きく変化させると、子供の注目を引き、笑わせる事が出来る。その変化は、必ずしも声を張り上げるような類のものでなくても良い。「日本語学校イタリア篇」における愛知・高知・愛媛などのように、声を張り上げて抑揚を付けているのではなく、突然変わった声の出し方をするのも有効である。声量だけでなく、声の高さ、速さ、その他様々な声色の違い、を用いて、強調したい所に他との差を付ける。重要なのはコントラストの大きさである。出来るだけ分かりやすい変化を付けて、かつ急峻に切り替える。

そこまで極端にやらなくても、話中のうち重要なポイントを選択的に伝える効果は得られるように思う。実際に伝わっているかは最終的には彼等に聞いてみないと分からないので、確証を取れない事も多いが、感触としては割と伝わっている印象。遊びの中で話すなら、ラーメンズよろしく極端目に抑揚を付けてやればより喜ぶ。長男の療育においては、如何にやる気を出させるかという問題がある訳だが、その為にはまず気を引く事からで、その効果は一定程度ある4ように思う。

尚、常に変な発声をするという訳ではなく、重要なのはあくまでもコントラストである。その差分が子供の気を引き笑わせるのであると思われ、常に変な声を出していたら恐らく埋もれてしまう。やっている側が無意味に変な人になるだけである。

基本はゆっくり通る声

その点、「日本語学校イタリア篇」に戻ると、最初はゆっくりとした穏やかな発声から始まる。勿論そこにも独特なアクセントによる脚色が含まれているが、日本語学校という場面設定が事前に共有されているので、そのステレオタイプの範疇5として認識される程度であろう。そこから突然に外れるコントラストによって、上述の茨城等が笑いを誘う。

子供に話をする時にも、ゆっくり、よく通る声で話すのが基本であろう。長男にしても次男にしても、最初に彼等を「話を聞くモード」に入れる事が出来れば、後はゆっくり丁寧に話せばある程度の指示は聞いてくれる。私自身は、元々が小声早口の人間なので、普段はしない話し方ではある。とはいえ、以前は大学講師をしていた事もあるし、今でも人に何かを説明する機会の多い仕事ではあるので、その時の話し方が応用できる。また、その中に上述のコントラストを紛れ込ませる事で、特に強調したい事を伝えたり、笑わせたりも出来る。問題は、普段しない話し方である故に喉への負担が大きい事である。コントラストを出す話し方と合わせて、ずっと続けていると喉が痛くなってくる。これは如何ともし難い。

ところで、話題の本筋とは関係がないが、ここで言う「話を聞くモード」に入れる事については長男に課題があって、通っている療育施設にて、場面を問わず名前を呼ばれた時に反応する、というところの定着に取り組んで頂いている。呼名反応と言うらしい。現状では、声をかけた時に「話を聞くモード」に入る場合と入らない場合が混ざっている。先の事を思えば、どんな時でも声をかけられたら反応できなくてはならない。一旦は、大人が声をかけた時に何も反応しないのをそのままにしてはならない6という事で、上述のコントラスト付け話法も使って気を引くなどしている。

同音反復

最早言わずもがな、ここは千葉・滋賀・佐賀、あの強烈に耳に残るフレーズの話である。

エントリの表題にも挙げたこのフレーズが強く印象に残るのは、明らかに、あの小学生卒業スピーチのフォーマット中に突然現れる連呼によるものであろう。この連呼は、周辺の卒業スピーチフォーマットとは明らかに異なる声調で行われている。その点で上述のコントラストの効果が得られ、しかもその勢いで何度も繰り返される事で、より頭の中に刻み込まれていく。さらには、千葉・滋賀・佐賀の初出は実はこの連呼の部分ではなく、もっと前である。それが唐突に、強いコントラストを伴って再出する事が、聴衆の笑いを呼ぶ。その点では、最初に笑いを呼び、そして最後の最後になって再出する上述の茨城も、共通の構造を持っている。

このような同音反復もまた、子供に対して何か特定の言葉を印象付けるのに有効であるように思う。普段の会話の中で同じ言葉をひたすら連呼する場面というのはなかなか無いが、時々現れる同じ言葉であるだけでも、少しずつ印象付けられていくようである。抑揚を付けて同じ言葉を連呼しようものなら、面白がって一緒に連呼したりもする。これは、言葉を印象付けるという事だけでなく、特定の事について大人と一緒に騒ぐという点でも良いのではないかと思える。特に自閉症の長男につき、人と一緒に何かをするという事を増やしていく方向性を指向すべきという話は療育の中で多々ある。その遊びネタの一環として組み入れられそうではある。

少し話は逸れるが、ABAの文脈における強化のための好子7、中でも条件性好子の話題にも近しいものを感じる。ABAの本はまだ読んでいる途中であるが、曰く、褒め言葉などを条件性好子として扱う場合、その言葉は行動を強化する場面以外では使わないようにするべきである。そうなると必然的に、強化に使うための褒め言葉は一定になり8、反復される事になるだろう。恐らくそれは、強化の枠組みを構造化して単純で分かりやすいものにするという、以前のエントリの話題にも通ずる。

奇行の積極活用

ラーメンズ日本語学校イタリア篇」の話法を応用する事は、何の前提も共有していない人から見たら奇行・奇声の類であろう。しかしそれは、お笑いの場面だけでなく、上述のように子供との関わり合いにおいても有効であると考える。子供達が笑ってくれるなら、その程度の奇行に走る事を押し留めるような羞恥心など、家の中では無に等しい。

外出中は若干躊躇うが。


  1. 当時中学生。信じ難い若さである。光陰矢の如しとは正にこの事。
  2. その頃はFlash動画としてしか知らなかった。懐かしのFlash文化である。dic.pixiv.net
  3. 諸々の配慮から直接の紹介は避ける。
  4. ただし悩ましいのは、その引いた気を持続させる事に対する寄与が恐らくないので、そこには別のアプローチを要する点。
  5. 実際の日本語学校の事は知らないので何とも言い難いが。
  6. 大人に声をかけられても気にしなくて良い、ということを学習されると良くないため。
  7. 書籍や人によっては「強化子」とも。
  8. 日常会話の中での褒め言葉を否定するものではない。そしてそれは多様である。行動強化のための条件性好子となった言葉については強化する場面以外に使わない、という話である。

理想のケバブを求めて・続2

更なるケバブ探求の続き。前回↓ blog.kolmas.tech 尚、前回以前のエントリに引き続き、本エントリ中の「ケバブ」表記は基本的にドネルケバブのことを指す。また、回転焼き機などないので、作っているのはケバブもどきである。

試作4回目(25/07/26)

これまで何種類かの既存レシピを参考にしてきたので、それらを踏まえて少しずつオリジナルを目指していく事にする。今回は、前回試作においてヨーグルトと思しき存在がくどい感じがあったので、試しにヨーグルトを抜いてみる。ヨーグルトの培養がたまたま間に合っていなかった、という側面もあるが。

レシピ

ヨーグルトを抜いた他には、前回レシピの感想を踏まえてオレガノを追加。またスパイスだけでは混ぜにくいかと思ってオリーブオイルを足しているが、その代わり焼く際にフライパンに油を敷くのを省略。その他の手順は前回と全く同じ。

  • 牛もも肉細切れ 470g
  • オリーブオイル 大さじ2
  • レモン汁 大さじ1
  • おろしにんにくチューブ 小さじ3/2
  • クミン 小さじ3/2
  • オレガノ 小さじ1
  • ブラックペッパーパウダー 小さじ1/4
  • 塩 小さじ1/2

揚げ焼きの芋を焼きすぎたのでプレートが全体的に茶色。

感想

  • 肉が固い。普通に苦も無く食べられる固さではあるが、前回までの試作にあった柔らかさは無い。ヨーグルトが肉を柔らかくしていた?
  • 味は良い。前回試作に感じたくどさも無い。やはりあのくどさはヨーグルト起因だったらしい。肉が固い問題との兼ね合いで適度な量加減が重要か。
  • オリーブオイルを混ぜてはみたものの、ヨーグルト無しだと焼く前の肉にスパイスを揉み込む際に若干の混ざり辛さ有。

試作5回目(25/08/03)

前回、ヨーグルトを完全に抜くと肉が固くなるという問題が明らかになったとはいえ、これを増やしすぎると味がくどい。初回レシピの量を入れてみよう。

レシピ

牛もも肉がスーパーに無かったので代わりにかた肉である。ヨーグルトは初回レシピと同量、なのだが、肉が多いので相対的に少なくなっている事に混ぜてから気付いた。スパイス類については、バジルとあらびきチリーペッパーを復活させてみる。その他の手順はこれまでと全く同じ。

  • 牛かた肉薄切り 470g
  • ヨーグルト 大さじ3/2
  • レモン汁 大さじ1
  • おろしにんにくチューブ 小さじ3/2
  • クミン 小さじ3/2
  • オレガノ 小さじ1
  • ブラックペッパーパウダー 小さじ1/4
  • バジル 小さじ1/4
  • あらびきチリーペッパー 小さじ1/4
  • 塩 小さじ1/2

カット野菜を買い忘れたのでサラダなし、芋も買い忘れたので米で代替。ちょっと見た目寂しいプレートに。

感想

  • 肉は前回よりもしっとりしつつ、味にヨーグルトのくどさもない。今回くらいが丁度良い分量らしい。
  • 辛味=あらびきチリーペッパーが入ったことで味にパンチが出たよう。また、写真では分からないがこの赤色が混じると肉の見た目も良い。
  • 薄切り肉はスパイス揉み込んでいるうちにかなり千切れてしまって、かなりの細切れになってしまった。味はよく混ざっているし、そもそも本来のケバブの焼き方とも違うわけで、気にする所ではないが。
  • だいぶ完成された味になってきているように思う。ただそれ故に、次に何をしてみるべきかが思いつかない。

試作6回目(25/08/17)

時々エントリに登場する姉が家に来ていて、その姉の分含め三人分を作る事になった。味は前回試作でかなり完成されてきているように思えるので、同じ配分で三人分を作ってみよう。それで上手くいけば、仕込む分量が変わっても一般的に適用できるレシピという事になる。

レシピ

全体的に、単純に前回レシピの1.5倍量である。計量すべき量が細かくなりすぎて、実際の所はある程度適当になっているが。特にあらびきチリーペッパーは勢いよく出過ぎて下記量より多めに入ってしまった。その他の手順はこれまでと全く同じ。

  • 牛もも肉薄切り 700g
  • ヨーグルト 大さじ9/4
  • レモン汁 大さじ3/2
  • おろしにんにくチューブ 小さじ9/4
  • クミン 小さじ9/4
  • オレガノ 小さじ3/2
  • ブラックペッパーパウダー 小さじ3/8
  • バジル 小さじ3/8
  • あらびきチリーペッパー 小さじ3/8
  • 塩 小さじ3/4

普段二人で一袋食べているカット野菜を、三人分のために二袋開けたので野菜多めのプレート。芋も多め。

感想

  • 前回と変わらず味良し。一旦はこれで汎用的なレシピの完成として良さそうである。
  • 多めのチリーペッパーで確かに後味が少しピリッとしてくるが、野菜が大量にあるので丁度良い。
  • 今回の薄切り肉は揉み込んでも前回程は崩れなかった。部位の問題?
  • 私の試作ケバブを初めて食べた姉の反応も良好。

一旦のまとめ

ここまでの試作で得られた知見から、我が家のケバブもどき一人前のレシピは、改めて次のようにまとめられる。

  1. 以下をビニール袋に入れて混ぜ、揉み込む。ある程度の計量誤差は許容。
    • 脂身の少ない牛肉細切れまたは薄切り 200〜250g
    • ヨーグルト 大さじ3/4
    • レモン汁 大さじ1/2
    • おろしにんにくチューブ 小さじ3/4
    • クミン 小さじ3/4
    • オレガノ 小さじ1/2
    • ブラックペッパーパウダー 小さじ1/8
    • バジル 小さじ1/8
    • あらびきチリーペッパー 小さじ1/8
    • 塩 小さじ1/4
  2. 冷蔵庫に入れて少し放置。
  3. 軽く油を敷いたフライパンで中火で焼く。
  4. サラダ・ポテトと一緒にプレートに盛る。

毎回計量するのは面倒だし誤差も出るので、牛肉・ヨーグルト・レモン汁・おろしにんにくチューブ・塩1以外の材料である各種スパイスは、予めまとめて混ぜたものを作って保存しておくのも良いかもしれない。


  1. 塩自体は汁気があるものではないが、何となく吸湿しそうなので、事前混ぜの段階では入れない方が良いような気がする。

何でも人名っぽくなる・スラヴ語圏編

「〇〇スキー」という形にすると何でもスラヴ語圏の姓のように見えるので、頭の中で子供達の好みの物事を〇〇の部分に充てて面白がっている。例えば以下のようである。

子供達の名前を前に充てて××・〇〇スキーなどとすると、よりそれらしい。

出オチにもならない、しょうもない言葉遊びだが、かのNHKすら似たようなことをしているのでまぁ良いだろう。 www.nhk.jp 尚、長男も次男も風呂についてはさして好みではない。

本来の「〇〇スキー」には「〇〇の生まれの」とう意味合いがあるそう。ここで〇〇は地名。 www.shochian.com するめ生まれの子供達?


  1. イカ加工品のするめのこと。変なもの好きだなとは思う。塩気多し。
  2. 味海苔。上記同様に、塩気が。。。
  3. NHKピタゴラスイッチ」のこと。
  4. 蒸気機関車の意味でのSL。